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足場の組立て等 特別教育を外国人労働者に多言語で実施する方法|安衛則第36条第39号【2026年版】

足場の組立て・解体・変更に従事する外国人労働者には安衛則第36条第39号の特別教育(学科6時間)が必須。日本語のみでは安全配慮義務違反リスクがある理由と、5言語対応教材の選定基準を現場責任者向けに解説します。

足場の組立て等 特別教育を外国人労働者に多言語で実施する方法|安衛則第36条第39号【2026年版】

足場作業に外国人を入れるとき、特別教育はどうすればいい——そんな相談が現場から増えています。外国人労働者が建設現場に不可欠な存在になっている一方、安全教育の多言語対応は後回しにされがちです。

足場の組立て・解体・変更の業務に従事させるには、国籍を問わず安衛則第36条第39号(労働安全衛生規則)に基づく特別教育(学科6時間)が必須です。外国人が「日本語だけで」受講しても、本人が理解できていなければ安全配慮義務違反を問われるリスクがある。安全配慮義務とは、簡単に言うと「会社が従業員を危険から守る責任」のことです。

法令根拠・カリキュラム・多言語実施の選択肢、そして現場でよくある誤解を、この記事でまとめて確認しておきましょう。

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足場特別教育の法令根拠と対象業務

足場の組立て等特別教育の根拠は、労働安全衛生法(労安法)第59条第3項と、労働安全衛生規則(安衛則)第36条第39号です。2015年(平成27年)7月1日から施行されており、現在も内容の変更はありません。

対象は、次の作業に「従事する」すべての労働者です。

  • 足場の組立て(枠組足場・くさび緊結式・単管足場など、形式を問わず)
  • 足場の解体
  • 足場の変更(移動・拡張・一部取り外しを含む)

足場の上に乗って別の作業をするだけ、資材を運ぶだけという場合は対象外です。「組立て・解体・変更の作業そのものに従事させるかどうか」が判断の分かれ目になります。

現場の方ならご存知のとおり、実態として組立てと他の作業の境界は曖昧になりやすい。疑わしい場合は、特別教育を受けさせる方向で判断しておくのが安全です。

労働安全衛生法第59条第3項:「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。」

カリキュラム詳細——学科6時間の内訳

足場特別教育のカリキュラムは学科のみで構成されており、法定の合計時間は6時間です。

内訳は安衛則別表第2に基づき、以下のとおりです。

  • 足場及び作業の方法に関する知識(3時間)
  • 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識(30分)
  • 労働災害の防止に関する知識(1時間)
  • 関係法令(1時間)

短縮3時間の経過措置について

実はこれ、現場でよくある誤解があります。2015年7月1日時点で既に足場業務に従事していた労働者は、3時間への短縮教育が認められました。とはいえ、これは施行時の「経過措置」です。

2015年以降に入社・転職した人、または足場業務に新たに就いた人は6時間が必要です。「うちの人はベテランだから3時間でいい」という判断が通用するのは、施行時からずっと同じ会社・同じ現場にいる人だけ。転入社員・中途採用者はあてはまりません。

再教育について

特別教育は「一度受ければ終わり」が原則で、法定の有効期限はありません。一方、2024年の足場安全基準改正のように法規制に変更があった際は、変更内容の周知教育を行うことが実務上求められます。労安法第60条の2(危険有害業務従事者教育:おおむね5年ごとの定期的な安全衛生教育を推奨する規定)の観点から、定期的な学習機会を設けている会社も増えています。

外国人への実施義務——「日本語のみ」では不十分な理由

「受講させた記録があれば大丈夫」という考え方は、実は危険です。安全配慮義務(労働契約法第5条:雇い主が従業員の安全を守る義務)は、教育を「実施した事実」だけでなく、労働者が「理解できる状態で業務に就いた」かどうかを問います。

ある大阪地裁の判決では、日本語能力が不十分なベトナム人労働者に対して日本語のみで安全衛生教育を行った会社が、安全配慮義務違反と認定されました。教育の実施記録は存在していたにもかかわらず、「本人が理解できていなかった」という点が問題とされました。

率直に申し上げると、日本語で受講させた記録だけでは、万が一の労災時に免責されない可能性があります。

建設業における外国人労働者の労災統計

厚生労働省の令和6年(2024年)統計によると、外国人労働者の死傷年千人率は2.71。業種別では、建設業が外国人死傷者全体の17.6%を占め、製造業(48.3%)に次いで2番目に高い数値です。(出典:厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況」)

建設現場での外国人雇用は今後も拡大が見込まれます。多言語対応は「親切でやること」ではなく、「義務として準備すること」です。

多言語対応の実際——5言語対応教材の選定基準

外国人労働者に足場特別教育を実施する方法は、大きく3つあります。

1. 社内通訳・自社翻訳で対応する

通訳できる人材がいる場合や少人数でのスポット対応には有効です。ただし、翻訳品質の管理が難しく、専門用語の誤訳リスクが残ります。法改正のたびに教材を自社で更新し続ける必要があり、5言語をすべてカバーするには相当な負荷がかかります。

2. 外部翻訳ベンダーに依頼する

翻訳精度は高まりますが、コストが大きい。5言語(日本語・英語・ベトナム語・中国語・インドネシア語)をそろえると、初期制作だけで数十万円規模になることもあります。法改正時の更新コストも継続的に発生する点は見落とさないでください。

3. 多言語対応のeラーニングを活用する

法定カリキュラムに沿った多言語eラーニングです。選ぶ際には以下を確認してください。

  • 安衛則第36条第39号の足場特別教育(学科6時間)をカバーしているか
  • 映像・音声・テキストのすべてが対象言語で提供されているか(字幕だけでは不十分な場合がある)
  • 受講記録が電子保存され、元請け・監督署への即時提示が可能か
  • 対応言語が現場の国籍構成に合っているか
  • 図解・映像が充実しており、視覚的な理解を助けられるか

足場の組立て作業は、ボルトの締め方・部材の向き・手順の順序など、視覚的な理解が重要な業務です。テキストだけの教材では「わかった」と言っても実際には理解できていないケースが生じやすい。映像教材の充実度は特に重要な選定基準です。

Labonaでは、日本語・英語・ベトナム語・中国語・インドネシア語の5言語で足場の組立て等特別教育を提供しています。

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「足場の組立て等作業主任者」との混同に注意

ここがポイントなのですが、現場で非常によくある誤解があります。「足場の組立て等作業主任者技能講習の修了者がいるから特別教育は不要」——この判断は間違いです。

作業主任者資格(足場作業を指揮・監督する役割のための資格)と、作業従事者が受けるべき特別教育(組立て・解体・変更の作業を実際に行うすべての人が対象)は、別の制度です。

  • 作業従事者: 安衛則第36条第39号の特別教育(学科6時間)が必要
  • 作業主任者: 「足場の組立て等作業主任者技能講習」(別の資格・別の講習)が必要

作業主任者の資格は作業の指揮・点検を行うためのものです。特別教育の代替にはなりません。技能講習の内容と特別教育の内容が重複している部分はあるため、詳細は管轄の労働基準監督署に確認することをお勧めします。

外国人技能実習生・育成就労外国人の典型的な運用

外国人が足場作業に従事する場面で最も多いのが、技能実習生と育成就労外国人です。どちらも特別教育の義務は変わりません。

技能実習生の場合

建設分野(とび・鉄筋施工・型枠施工等)では、足場の組立て・解体が作業範囲に含まれるケースがあります。標準的な運用は、入国後の講習期間(1か月)中に特別教育を組み込み、日本語と母国語の両方で実施する形です。監理団体と事前に教育計画を共有しておくことが重要です。

育成就労外国人の場合

2027年4月に本格施行予定の育成就労制度でも、安全衛生教育の義務は変わりません。受入れ機関(監理支援機関)と連携し、入国後の導入期間中に多言語対応の特別教育を計画しておくことが求められます。

記録保管の義務(3年間)

特別教育の記録は、安衛則第38条により3年間の保管義務があります。記録には次の項目が必要です。

  • 実施年月日
  • 受講者の氏名
  • 教育科目と時間数
  • 担当講師名

外国人労働者の場合は、使用言語もあわせて記録に残しておくと、元請け監査や労働基準監督署の対応がスムーズです。eラーニングであれば受講ログが自動保存されるため、記録管理の負担を大幅に軽減できます。

元請け企業から「特別教育の記録を出してほしい」と求められたとき、紙台帳では対応に1〜2日かかることもあります。電子化されていれば数分で提出できる。監査対応の観点からも、記録のデジタル管理は投資対効果が高い選択肢です。

まとめ

足場の組立て・解体・変更に従事する外国人労働者には、安衛則第36条第39号に基づく特別教育(学科6時間)が義務です。受講記録があるだけでは安全配慮義務を満たしているとは言えず、本人が理解できる言語での実施が求められます。

日本語のみでの受講は、労災発生時に安全配慮義務違反と判断されるリスクがあります。5言語対応のeラーニングを活用することで、法令適合・記録管理・コスト削減を一度に実現できます。

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よくある質問

Q. 足場の組立て等作業主任者の資格を持っていれば、特別教育は不要ですか?

不要にはなりません。作業主任者技能講習と特別教育は別の制度です。作業主任者資格は作業の指揮・監督を行う役割のためのものであり、足場作業に従事するすべての労働者が受けるべき特別教育の代替にはなりません。技能講習の中で特別教育に相当する内容を学んでいる場合は、管轄の労働基準監督署に確認してください。

Q. 日本語で受講させた記録があれば、外国人でも問題ないですか?

記録があっても、本人が理解できていなければ安全配慮義務違反になる可能性があります。大阪地裁の判例では、日本語のみの教育実施記録が存在したにもかかわらず、外国人労働者が理解できていなかった点を問題として安全配慮義務違反が認定されています。

Q. オンライン(eラーニング)で足場特別教育の学科を実施しても法令上問題ありませんか?

問題ありません。厚生労働省は2021年1月25日付の通達で、安全衛生教育のオンライン実施を公式に認めています。学科6時間の全部または一部をeラーニングで実施できます。ただし、本人確認・理解度確認・受講記録の3年保管が要件です。

Q. 育成就労外国人の特別教育は、監理支援機関が代わりに実施してくれますか?

教育の実施責任は事業者(受入れ企業)にあります。監理支援機関が教材の手配や調整を支援することはあっても、法的な義務を肩代わりすることはできません。多言語教材の用意と受講記録の管理は、受入れ企業が主体的に行う必要があります。

Q. 足場特別教育に有効期限はありますか?

特別教育そのものに有効期限はなく、一度修了すれば原則として再受講の法的義務はありません。ただし、足場の安全基準に関する法改正があった際(2024年の足場強度基準改正など)は、変更内容を労働者に周知する教育を行うことが実務上必要です。


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